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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十四)雛の別れ(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 114,139 字 · 233 頁

青空文庫

八五郎を調布へやると、平次は、もう一度芝へ行きました。浜松町から神明一帯を訊いて廻って、久吉が日頃手なずけているという、少し人間のおめでたい樽拾いの三次という少年を捜し当てると、

「さア、みんな言ってしまえ。お前は要屋の手代に何を貰った」

こんな調子でトントンと白状させてしまいました。それによると、久吉は三次に小銭をやって手なずけ、隠宅の隣の空家から見張らせて、隠居の山右衛門の留守を狙って出入りしたばかりでなく、山右衛門の殺された神明の縁日の晩は、自分が飛び出した後、三次をつれて来て空家から隠宅を見張らせ、一から十まで報告させて、巧みに現場不在証明を拵えあげたと判ったのです。

*

ガラッ八が手代久吉を調布から縛って来たのはその翌る日でした。在所へ帰ってすっかり気を許した久吉は、百両あまりの金を見せびらかして、土地の人に大尽風を吹かせていたところへ、江戸の御用聞の八五郎が踏込んだのです。その金の中に、要屋があの晩隠居に渡した五十両が、包も解かずにあっては、申し訳が立ちません。

「どうしてあんなことが解りました、親分」

何事も済んだ後で、ガラッ八は例の絵解きをせがむと、