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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十四)雛の別れ(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 114,139 字 · 233 頁

青空文庫

銭形平次は、八五郎と下っ引二人をつれてようやくその席へ駆け付けたのです。

「銭形の親分、――この親類の話合いに、何か不足でもあると言われるのか」

支配人の半九郎は屹となりました。

「大不服だ」

「何?」

「用箪笥の奥の隠し抽斗にあった、先代の遺言状――倅安之助の勘当を許し、岡崎屋の家督、相違なく相嗣ぐべきもの也――という直筆に判を捺したのを破って捨てたのは誰だ」

「えッ」

「俺はそれを察して、鍵を手代の栄吉に渡し、栄吉から支配人に渡すように仕向けた。もっとも真物の遺言状を抜いて、用箪笥には写しの偽物を入れておいたとは気が付くまい。お前が破って捨てたのはその偽物の遺言状だったんだ」

「…………」

「真物はこの通り、ここにあるぞ。御親類方、この半九郎に騙されて、罪のない若旦那の安之助さんを日蔭者にしちゃいけません」

「…………」

「まだあるぞ、半九郎。――たった一人残った岡崎屋の血統――お嬢さんのお琴さんを殺すつもりで土蔵に仕掛けた唐櫃、お琴さんが気分が悪くて、お前の娘のお万が行ったばかりに、あの虐たらしい死にようをしたのを忘れはしまい」

「嘘だ、嘘だッ――何を証拠に」