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なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《鳴門秘帖(一)(なるとひちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,100 字 · 523 頁

青空文庫

「ああ面白かった。じゃ、これでおしまい……」お綱は涼しい顔で帯揚げを引き抜き、桝で量る程な金銀をザラザラと詰め込み、さッさと体に着けてしまう。

「待て、これでしまいにして堪るもんか」と浪人者の東条隼人がケチをつけにかかるのを、三次がなだめて、

「まあいいさ……」とめくばせした。

「お綱さんだって、どうせ三日や四日はご逗留だ。な、その間にゃ、また幾らでも手合せができるだろうじゃねえか、初心な者にはとかくばかあたりという奴があるものさ……ああ眠い、何しろ今日は寝なくっちゃあ……」

ヘトヘトになって五人がそこへ手枕で転がると、不意に立ち上がったお十夜孫兵衛、いきなり踏込みの押入を開けて、その段から天井裏へ跳び上がり、目明し万吉の襟がみをつかんで下へ引き摺り降ろした。

「や、この岡っ引め、どうしてあんな所へ出てきやがったんだ!」

総立ちになって騒ぎだしたが、まさか、この男がお綱に勝たせたこととは夢にも思いつかない。ただ岡っ引を憎む凶暴性が勃然と彼を取りまいたのだ。

「兄貴――」と三次はお十夜の顔を見て「つまらねえ者を引っ張り込んだので、世話がやけてしようがねえ、一体こいつをどうする気だ」