Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

さんごくし

三国志

吉川 英治

Read 三国志 (さんごくし) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 161,356 characters · 323 screens

Aozora Bunko

うわさ通り、今日の襄陽の会は、やはり単なる慶祝の意味ではなかったとみえますな」

「あなたのお耳にも、すでにそんな風説が入っておりましたか……実はこういう次第でした」

玄徳がつつまず物語ると、司馬徽は幾度かうなずいて――さもあらんといわぬばかりの面持であったが、

「ときに、将軍にはただ今、どういう官職におありですかな」

「左将軍宜城亭侯、予州の牧を兼ねておりますが」

「さすれば、すでに立派な朝廷の藩屏たる一人ではおざらぬか。しかるに、なんで区々たる他人の領に奔命し、つまらぬ小人の好言に追われていたずらに心身を疲らせ、空しく大事なお年頃を過したもうか」

しみじみ、司馬徽はいって、

「……惜しいかな」と、あとは口うちで呟いた。

玄徳は、面目なげに、

「――時の運は如何ともいたし難い。事志と違うために」と、答えた。

すると司馬徽は、顔を振って打ち笑いながら、

「否々、運命のせいにしてはいけない。よくかえりみ給え。わしをして忌憚なくいわしめるなら、将軍の左右に、良い人がいないためだと思う」

「こは意外な仰せです。玄徳は不肖の主ながら、生死を一つに誓う輩には、文に孫乾、糜竺、簡雍あり、武には関羽、張飛、趙雲あり。