Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Read 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 114,244 characters · 231 screens
「?」
「寅五郎殺しの下手人は、――俺にようやく判ったような気がするよ。――俺はここから引返す。お前は真っすぐに目白へ行って、松蔵を縛りたくてウジウジしている三つ股の源吉兄哥に――勝手にするようにと言ってくれ」
平次の言葉は、あまりにも予想外です。
「下手人は、あの仏松蔵ですか」
「そうかも知れない、でないかも知れない。が、とにかく、松蔵を縛ると、下手人は苦もなく判るよ、それがかえって松蔵を助ける手段になるかも知れない」
「ヘエ――」
平次はそれっきり引返してしまいました。
親分の意見に、善悪ともに盲従するガラッ八は、目白屋敷に立ち向うと、おどろき騒ぐ人たちを尻目に、キリキリと作男の松蔵を縛り上げ、源吉の嫌味を聴き流して、番所へ投り込んだことは言うまでもありません。
それからいろいろの手順を運んで、神田の平次のところへ帰ったのは夜の戌刻半(九時)頃。
思いきやそこには、松蔵の倅松太郎が、江の島から帰ったまま、旅の埃も払わずに、
「目白長者の寅五郎を殺したのは、この松太郎に相違ありません。親父の縄を解いてやって下さい。お願いでございます」
そうわめき立てながら、平次のところに飛込んだところでした。