Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Read 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 139,230 characters · 280 screens

Aozora Bunko

「よしよし、そんなことでよかろう。ところで寺本山平は宵のうちから離屋へ行くのか」

「店が閉ってから、大抵戌刻半から亥刻(十時)の間だそうです。曲者は家の中に決っているから、離屋に居る寺本山平は勘定に及ばないじゃありませんか。それに昨夜は恐ろしく早く、戌刻(八時)前に離屋へ引揚げたそうですよ。――本人は山下の馴染の家で、宵から飲んでいたというのは嘘じゃないでしょう」

「そうかも知れない、ところでお皆と関係のあった男は?」

「幾人あったかわからないが、近いところじゃ寺本山平――」

「なんだと」

「あ、びっくりした。あっしのせいじゃありませんよ、親分」

「こいつがお前のせいだったら大変だ。来いッ、八」

「どこへ行くんで」

「どこだか判るものか。とにかく、鳥が飛んだ後じゃお谷婆さんの命を助けようはねエ」

「お谷婆さんを助けるんですって、親分」

今度はガラッ八の方が驚きました。

「お谷婆さんが何と言おうと、お皆を殺した人間は他にあるんだ。――お谷婆さんを下手人にしちゃ第一お前の叔母さんに済むめエ」

「違いねエ。どこへ行って何をやらかしゃいいんで? 親分」

「寺本山平が昨夜行った家を捜すんだ」