Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Read 南国太平記 (なんごくたいへいき) by 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 493,291 characters · 991 screens
「戯談は、さて置き――帳尻を合せましたなら、ちと、密談を――」
斉興が、頷いて、用人に
「その五十両、小藤次へ貸付としておけ。よいであろうが、由羅」
「はい」
「では、退れ」
用人は、算盤と、帳面とを持って、退って行った。
「齢をとると、寝ても痛む、起きても痛む」
と、呟きつつ、大儀そうに斉興は坐り直した。
「うるさい奴等が、騒ぎよるか」
「はい、江戸よりも、国許の手合が、立騒いでおります。第一に、加治木玄白斎が、牧の修法を妨げております。それに、力を添えて居ります者に、島津壱岐、赤山靱負、山田一郎右衛門、高崎五郎右衛門――以下は、軽輩でござりますが――」
「よし、近々、わしは、国へ参るが――考えておこう。それだけか」
「未だ、大変なことが――」
将曹は、眼を光らせた。お由羅が、ちらっと、将曹を見た。そして
「赤山様まで?」
「よって、油断がなりませぬ」
赤山靱負は、一門の中でも、名代の人であった。
「いつか、調伏の人形を、床下より掘り出して持参致しました、仙波なる者――」
「うむ」
「父子にて、牧の調伏所へ斬込みました由、いよいよ不敵なる振舞――」
「成る程のう、そんな事まで、致すようになったか?」