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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
Read 明治世相百話 (めいじせそうひゃくわ) by 山本 笑月 (やまもとしょうげつ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 128,862 characters · 251 screens
演芸界
川上音二郎の宣伝姿
翁の歿したのは大正五年十二月、その一カ月ほど前、ある席で懐中から小冊子を取り出し「これは君にあげるつもりでようやく探しだした」とわざわざ恵まれたのは『宮詣り東のつと』という潮来の細見で狂歌人の絵本、しかも文久二年後の種彦求之と書入れがある。蔵書には富んでいられたが、この種のものまでと意外に思った。それも今は形見である。翁の美術界に尽した功績は申すまでもないが、一面こうした優しい親切の気性も忘れ難い。
演芸界
川上音二郎の宣伝姿
芝居の運動場へ小動物園
オッペケ節で売り出した新派の頭領川上音二郎、駒形の浅草座で「意外又意外」など前受専門の狂言大当り、つづいて日清戦争、得たり賢しとさっそく戦争劇に取りかかり、自分は新聞記者の役、興行前にまず宣伝とあって、新調の背広に鳥打帽子、両肩から望遠鏡と水筒を綾にかけ、脚半わらじという物々しい扮装で浅草公園あたりをブラつく、やあ川上だ、と野次がぞろぞろ。
当時のハイカラ芸者、例の貞奴が一緒で拙宅へも突然のお入り、「どうです、新聞記者と見えますかね」といった調子。当分は戦争劇で当てるつもり、と抜け目のない作戦。その時宅に飼ってあった信州産の小猿を見て、「おお、いい猿ですな、顔つきが素敵だ」