Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志

吉川 英治

Lesen Sie 三国志 (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.356 Zeichen · 323 Bildschirme

Aozora Bunko

溯巻く黄河

一

「待てっ、何者だ」と、たちまち捕えて、姓名や目的を詰問した。

「わしは、曹丞相の旧友だ。南陽の許攸といえば、きっと覚えておられる。一大事を告げにきたのだからすぐ取次いでくれい」

その時、曹操は本陣の内で、衣を解きかけてくつろごうとしていたが、取次の部将からそのことを聞いて、

「なに、許攸が?」と、意外な顔して、すぐ通してみろといった。

ふたりは轅門のそばで会った。少年時代の面影はどっちにもある。おお君か――となつかしげに、曹操が肩をたたくと、許攸は地に伏して拝礼した。

「儀礼はやめ給え。君と予とは、幼年からの友、官爵の高下をもって相見るなど、水くさいじゃないか」

曹操は、手をとって起した。許攸はいよいよ慙愧して、

「僕は半生を過まった。主を見るの明なく、袁紹ごときに身をかがめ、忠言もかえって彼の耳に逆らい、今日、追われて故友の陣へ降を乞うなど……なんとも面目ないが、丞相、どうか僕を憐れんで、この馬骨を用いて下さらんか」

「君の性質はもとよりよく知っている。無事に相見ただけでもうれしい心地がするのに、さらに、予に力を貸さんとあれば、なんで否む理由があろう。歓んで君の言を聞こう。