Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme
三
どっちにしたって、あんまり望ましくないから、群衆は命がけで犇めきあい、必死に左右に押しひらいて、
「いくらお武家でも、無茶な人もあったものだ」
非難の声と同時に、馬の腹の下から助けを呼ぶ人……鞭をくらって泣き叫ぶおんな子供――阿修羅のような中を、馬はさながら急流をさかのぼるごとく、たてがみを振り立て、ふり立て、やっと司馬道場の門前へ――。
群衆に馬を乗り入れる一行は、なんというひどいことをする奴! と、櫓の上から、あきれて見守っていた峰丹波、先なる白馬の人に気がつくと、銭を撒く手がシーンと宙で凍ってしまった。
三
阿鼻叫喚をどこ吹く風と聞き流して、群衆を馬蹄にかけ、やっと門前までのしあがってきた源三郎の一行――。
見ると。
忌中の札が出ていて、邸内もただならないようすに、源三郎は馬上に腰を浮かして、やぐらのうえの丹波を見あげ、
「司馬道場の仁と見て、おたずね申す」
前に植木屋として入りこんでいたのは、知らぬ顔だ。
はじめて顔を合わせるものとして、源三郎、正式に名乗りをあげた。
「柳生源三郎、ただいま国おもてより到着いたしたるに、お屋敷の内外、こ、この騒ぎはなにごとでござる」