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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「ふうむ、そいつア理屈だ」

チョビ安、小さな腕を仔細らしく組んで、

「おいらの父上も、そんなことを言ったっけ――」

ピクンと耳を立てたお美夜ちゃん、ふしぎそうな顔に、よろこびの色を走らせて、

「父上……って? あら、安さん、あんた父ちゃんが見つかったの?」

「ううん、ほんとの父じゃアねえんだ」

とチョビ安は悲しげに、だがすぐうれしそうにニッコリして、

「あるお侍さんを、当分、父――じゃアねえ、父上と呼ぶことになったんだよ。眼が一つで、腕が一本しかねえ人だ。とっても怖ねえ人だけれど、おいらにゃアそれは親切で、おらア、ほんとの父のように思っているんだ」

しんみり話し出したチョビ安、不意に思い出して、その四角な木箱の包みをとりあげ、

「ホイ! こうしちゃアいられねえ。作爺さんに頼んで、此箱を預かってもらおうと思って来たんだ」

三

急にあわてだしたチョビ安、お美夜ちゃんを押しのけるように、溝板を鳴らして路地へ駈け込みました。

「作爺さんはいるだろうな、家に」

後を追って走りこみながら、お美夜ちゃんの返事、

「ええ、このごろずっと商売にも出ないのよ。あれっきりいなくなった安さんのことが気になって、それどころじゃないんですって」