Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

七

なあおい、伊賀のあばれん坊ッ! おれの手にかかって生きのいい血をふくまで、後生だから生きていてくれよ。お前の命は、この濡れ燕があずかってるんだぜ。それまでア大事なからだだ。粗末にするなよ」

剣につながる、一種の殺伐な友情ともいうべきか、敵味方を超越したふしぎな感懐が、こんこんとして泉のごとく、左膳の心に……。

「あの源三郎を殺っつけることのできるやつあ、このおいらのほかにゃアねえはずだ」

しばらく考えたのち、やっと安心した体で、

「あの源三が死んだなどと、ちゃらっぽこにきまってらあナ」

あたまの中で、大声にどなった左膳。

とにかく手紙はりっぱに――あんまりりっぱでもないが……書けたんですから、明るくなるのを待って角のポストへ入れに行こうと――イヤ、ポストじゃない、チョビ安をたたき起こして、妻恋坂へ持たしてやろうと、左膳はありあけ行燈の灯かげに、ニッとほくそえんだ。

そして。

天井までとどけと、ニュッと両手を突きあげて、大きな欠伸をしました。オット、ひだり手だけです。左膳に両手があっちゃア話はめちゃめちゃだ。

それにしても。

人が両手を突っぱってあくびするところを、片手でやるんですから、なんだか信号のようで、変な欠伸の恰好だ。