Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「愚楽! 愚楽爺はおらぬか。流せ」

とおっしゃった。

お声に応じて、横手の、唐子が戯れている狩野派の図をえがいた塗り扉をあけて、ひょっくりあらわれた人物を見ると、……誰だってちょっとびっくりするだろう。

これが、いま呼んだ愚楽老人なのか。なるほど、顔を見ると年寄りに相違ないが――身体は、こどもだ。まるで七つ八つの子供だ。

身長三尺……それでいて、白髪をチョコンと本多に結い、白い長い眉毛をたらし、分別くさい皺ぶかい顔――うしろから見ると子供だが、前から見ると、このこどものからだに、大きな老人の顔がのっかっている異形な姿。

おまけに、この愚楽老人亀背なんです。

そいつが、白羽二重のちゃんちゃんこを一着におよんで、床屋の下剃り奴のはくような、高さ一尺もある一本歯の足駄をはいて、

「ごめん――」

太いしゃ嗄れ声でいいながら、将軍さまのうしろにまわり、しごくもっともらしい顔つきで、ジャブジャブ背中を洗いはじめたから、こいつは奇観だ。

すると、八代様、思いだしたように、

「のう、愚楽、来年の日光の御造営は、誰に当てたものであろうのう」

と、きいた。

二

二十年目、二十年目に、日光東照宮の大修繕をやったものだった。