Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme
六
このしまい方の乱暴さは、どうだ!
こけ猿の壺をひっつかまえて、ぶつけるようにすがりをかぶせる。そいつを、まるで裏店の夫婦喧嘩に細君の髪をつかむように、グシャッとつかんで、ぽうんと箱へほうりこむ。
グルグルっところがしながら風呂敷につつんで、――さて、主水正、またぽんぽんと手をならした。
出てきたのは、竹田を送り出して玄関から帰ってきた小姓だ。
「壺を見せたら、おどろいて帰りましたね。当藩はたいそうな金持になったと思ってるんだから、笑わせますね。こんな貧的な藩はないのに」
「コレコレ、よけいなことを申すな。しかし、この壺はよくできてるなア」
「じっさい、こけ猿にそっくりでございますね。よくもこう似せられたものですね」
「こいつを見せると、みな恐れ入って引きさがるからふしぎだ。こうやって、こけ猿は柳生の手に返ったと宣伝しておいて、その間に、一刻も早く真物を見つけださねばならぬ」
「何ごとも宣伝の世の中ですからね」
「くだらぬことを申さずに、この壺をその床の間へかざっておけ。客の眼につくようにナ。まだ来ない大名もあるから、きょうは一時に殺到するかも知れん」
小姓の手で、にせ猿の壺は、うやうやしく床の間の中央に安置された。