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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

耳も眼も、異常に鋭くなった源三郎、気がつくと、燭台の灯が、うすあかく天井を照らし出している。

ふしぎ! 寝る前に、たしかに消したはず。

源三郎の顔に、ニッと、言うにいわれぬ微笑が――。

来たナ。何かコソコソやりおるナ、というこころ。

耳をすますと、ふすまの外で、

「ウム、ぐっすり眠っておるぞ」

という低声。つづいて、

「だが、敷き寝しておって、取れぬ……」

というのは、刀のことを言うらしい。

源三郎は、床の下にさしこんで寝ている大刀を、そっと上からさすって――またしても浮かぶのは、残忍とも見える、血を待つほほえみ。

にわかに、室外に、けんめいに笑いをこらえる声が聞こえた。それがだんだん高くなって、ウハハハハ、あははははは、と、突如として家をゆるがす夜中の哄笑、ぞっと総毛立つものすごさをともなって。

七、八人をうしろに従えて、いきなり、ガラリ! 襖をあけた峰丹波は、

「源三郎殿、夜中ながら、御挨拶に推参……」

低い声を投げこみましたが――丹波、ビックリした。

床は、もぬけのから……室内には、だれもいない。

と見えたのは、源三郎、早くも起き出ると同時に、そのあけられたふすまの側の壁に、ピタリ背をはりつけているので。