Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme
あたいのお母どこにいる
じれったいぞエお地蔵さま
石が口ききゃ木の葉が沈む――」
「あらっ、だめ! ちがうわよ、ちがうわよ。それじゃアまるででたらめの文句だわ。いやな泰軒小父ちゃん! ほほほほほ」
「イヤ、こりゃア失敗った。またしくじったかの」
秩父の郷士の出で、豊臣の流れをくんでいるところから、徳川の世を白眼ににらんでいる巷の侠豪、蒲生泰軒居士。
肩をなでる合総、顔を埋める鬚と胸毛を、風になぶらせて、相変わらず、ガッシリしたからだを包むのは、若布のようにぼろのさがった素袷に、縄の帯です。たいていの貧乏にはおどろかない、トンガリ長屋の住人ですが、この泰軒の風体にだけは、上には上があるとホトホト感心している。
ひやめし草履をひきずる先生の横に、ちょこちょこ走りのお美夜ちゃん……稚児輪の似あうかわいい顔で両袖かさねて大事そうに、胸のところにだいているのは、泰軒小父ちゃんの一升徳利で。
この奇妙な取り合わせの二人づれが、トンガリ路地へかかると、待っていた一同、ていねいにおじぎをして、あとからゾロゾロ、うやうやしくついてはいる。いやモウ、たいへんな尊敬……。
三
「先生、うちの娘っこに、このごろ悪い虫がつきやしてナ、どうも心配でならねえのですが――」