Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme
ヒネクレ者で、口が悪く、見たところはごぞんじのとおり、使いふるした棕櫚箒に土用干しの古着をひっかけたような姿。能といったら人を斬るだけの、この丹下左膳。
どこがいいのか、はたの眼にはわかりませんが、女も、お藤姐さんぐらいに色のしょわけを知りつくし、男という男にあきはててみると、かえって、こういう、卒塔婆が紙衣を着てまよい出たような、人間三分に化け物七分が、たまらなくよくなるのかも知れません。
今夜も。
夕方フラリと出ていったきり、ふけても帰らぬ左膳を待ちこがれて櫛の落ちたのも知らずに、柳の枕のはずれほうだい、うたた寝していたところらしく、ほおに赤くほつれ髪のあとがついている。
だが――。
人の心は、思うままにならないもので、お藤がこんなに想っているのに、左膳のほうでは、平気の平左です。
まア、頼まれるからいてやる……そうまで阿漕ぎな気もちでもないでしょうが、どうせ行くところがないのだから、幼いチョビ安を夜露にさらすのもかわいそう、当分ここにとぐろをまいていよう――ぐらいの浅いこころ。
どんなにお藤がさそっても、左膳は見向きもいたしません。一つ屋根の下に起き伏ししていても、二人の間は、あかの他人なんです。