Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme
九
こんなおもしれえ見ものアねえや」
なかにはけしからんことを言うやつもある。尺取り横町の連中が、一団になってもみあいヘシ合い、溝板を踏みならして行く。
左膳は、壺へ掛けた手をそのままに、きっと戸外へ耳をやった。
九
チョビ安が眼をさまして、床の中から、
「父上! 火事ですね」
と、イヤにのんびりとして言った。
いったいこのチョビ安という子供は。
ふだん何ごともない時には、いつも駈けたり跳ねたり、つまずいたり、たんかをきったり、とても騒々しいあわてん坊で、一人で町内をさわがしているんだが。
今のように。
いざ地震、雷、火事、おやじ……もっとも、このチョビ安の父親は行方知れずで、それで左膳を仮りの父と呼んでいるわけだが――一朝、こういうあわてるべき場合に直面すると、逆に、変にのどかになっちまうのが常で。
皮肉な小僧だ。
「火には水という敵があります。もえてえだけもえりゃア消えやしょう。下拙はいま一ねむり……」
そんな洒落くさいことを言ってまた向うむきに夜着をひっかぶってしまった。
自分のことを下拙などと、これが七、八つの子供の言い草ですからイヤどうも顔負けです。