Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme
その後は御無沙汰
一
女物の長襦袢が、ヒラヒラ朝風になびく左膳の足もとに、すでに二、三の死骸がころがっているのは、そのくせの悪い濡れ燕に見舞われた、運の悪い伊賀者だ。
「皆あせってはならぬぞ。遠巻きにして、つかれるのを待つのじゃ」
高大之進の下知に、とりまく剣陣はすすまず、しりぞかず、ジッと切尖をそろえて持久戦……。
人あってもしこの場を天上から眺めたならば――。
まるでシインと澄みきってまわっている独楽のように見えたことだろう。
中央の心棒に白衣の一点、それをとりまいて、何本もの黒い線。
めんどうと見た左膳、
「さわるまいぞえ手を出しゃ痛い……伊賀の源三さえいてくれたら、手前ッチも、もっと気が強かろうがなあ。にらみあいでは埓があかねえ。そっちからこなけりゃあ、こっちから行くぞっ!」
ニヤリと笑いながら、右へ片足。
その右手の伊賀の連中、タタタと二、三歩あとずさりする。
「静かなること林のごとし……なるほど柳生一刀流の妙致だ。いつまでたってもジッとしているところは、フン見あげたものだ」
と左膳、またふくみ笑いとともに、左へ一歩。
右手の伊賀侍が、そろりそろりと後ろへ退く。