Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme
二
ふたりは、べつに気にもとめずに、話をつづけて、左膳が、
「こうと知ったら、お前なんざあ見殺しに、おらアあの壺の教えるところにしたがって、お前の先祖の埋めた大宝を掘りだしに行きゃアよかった」
剣友の無事な顔を見て、安堵の胸をさすった左膳、どうあっても源三郎を見殺しにすることはできないくせに、こうして顔を突きあわせていると、男同士の、口がわるいのだった。
「柳生の金は、柳生のものだ」
と、にがく言う源三郎へ、左膳はおッかぶせるように笑って、
「掘り出した埋宝の中から、日光にいるだけの金を柳生に返しゃあ、あとは、天下の財産だ」
「日光? フム、貴公は容易ならぬことを知っておるな」
「蒲生泰軒の矢文で、おれはなんでも知っておる。片眼でも、お前の両眼以上に見えるのだ」
「ナニ? 蒲生泰軒! 矢文?」
「まア、おれのことはいいやな。それより、おめえはどうしてこのもぐらもちになったのだ」
「卑怯なのは丹波とお蓮だ。剣の厄も、お蓮の女難も、源三郎見事にくぐり抜けたが……そのお蓮からとりあげたこけ猿の壺……」
「イヤ、待て。こけ猿は、おれの手にある。昨日この司馬寮に、同じ茶壺があるわけはねえのだ」