Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

「コウ、お侍さん、理に合わねえこたア言いっこなしにしようじゃねえか。きまってらあな。そりゃあ、あたいだってね、おふくろのぽんぽんから生まれたのさ」

「いやな餓鬼だな。その母親や、父はどうした」

「お侍さんも、またそれをきいて、あたいを泣かせるのかい」

とチョビ安、ちいさな手の甲でぐいと鼻をこすって、しばらく黙したが、やがて、特有のませた口調で話し出したところによると……。

このチョビ安――名も何もわからない。ただのチョビ安。

伊賀の国柳生の里の生れだとだけは、おさな心にぼんやり聞き知っているが、両親は何者か、生きているのか、死んだのか、それさえ皆目知れない。どうして、こうして江戸に来ているのか……。

「それもあたいは知らないんだよ。ただ、あたいは、いつからともなく江戸にいるんだい」

とチョビ安は、あまりにも簡単な身の上ばなしを結んで、思い出したようにニコニコし、

「でも、あたいちっとも寂しくないよ。作爺ちゃんが親切にしてくれるし、お美夜ちゃんってものがあるもの。お美夜ちゃんはそりゃあ綺麗で、あたいのことを兄ちゃん兄ちゃんっていうよ。早く大きくなって夫婦になりてえなあ」