Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

五十嵐はその火を盛んにするようにつとめていましたが、南条は足を踏み延ばして火鉢の縁へかけ、片手を翳したままでその蘭書をながめていました。

「面白いか」

五十嵐がまた尋ねました。

「別に面白いというべきものではない、ただ鉄を鎔かす方法が書いてあるのだ。イギリスの鎔坩は鋼鉄を鎔かすことができるとか、イプセルとはどうだとかいうことが書いてあるのだ」

「さあ、いい塩梅に火が熾った、宇津木にもあたらせてやれ」

一方を顧みると、そこに何人かが寝かされていて、その上には、能登守がここで日頃用ゆる筒袖の羽織が覆いかけてあるのでありました。

能登守はそれと知って苦笑いし、いまさらにその室内の隅々までよく覗いて見ましたけれども、そのほかには人らしい影は見えません。つまりこの室内にあるのは、前から傍若無人に話していた二人と、別に寝かされている一人と、都合三人だけであることを確めました。

「それはそうと、南条、これから我々はどうするのじゃ」

と五十嵐は、火にあたりながら蘭書を見ている南条の横顔を覗きました。

「そうさなあ」

と南条は本を伏せて五十嵐と顔を見合せました。

南条と五十嵐とは椅子に腰をかけたまま、火鉢の火にあたって膝を突き合せて話をはじめました。