Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

四

別に厳重な封じもないのだから、その懸想文のような結状を取って開いて見ると、それは道庵先生一流の処方箋でありました。

「もろこし我朝に、もろもろの医者達の出し申さるる薬礼の礼にもあらず……ただ病気全快の節は十八文と申して、滞りなく支払するぞと思ひきりて掛るほかには別の仔細候はず。」

こんなことが木版摺にしてあるのだから、問題にもなんにもなったものではありません。

四

お松が寝ついた時分からサラサラと雪が降りはじめました。

翌朝になって見ると、峡中の二十五万石が雪で埋もれてしまいました。過ぐる夜の靄は墨と胡粉を以て天地を塗りつぶしたのですけれど、これは真白々に乾坤を白殺して、丸竜空に蟠まる有様でありました。昨夜からかけて小歇みなく降っていたのが朝になって一層の威勢を加えました。東へ向いても笹子や大菩薩の峰を見ることができません。西へ向って白根連山の形も眼には入りません。南は富士の山、北は金峰山、名にし負う甲斐の国の四方を囲む山また山の姿を一つも見ることはできないので、ただ霏々として降り、繽紛として舞う雪花を見るのみであります。

白いものの極は畢竟、黒いものと同じ作用を為すものです。