Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「妾はそんなことは致しませぬ」

「いまに思い知る時が来る」

竜之助が石塔の頭へ手をかけて立ち上った時に、どこからともなく一陣の風が吹き上げて来ました。その風が、颶風のように颯と四辺の枯葉を捲き上げました。紛乱として舞い上る枯葉の中に立った竜之助は、今その墓から出て来たもののようであります。

「なんだか、わたしは怖ろしうございます」

日はかがやいているのに、お銀様はその周囲が鉛のように暗くなることを感じました。

二

机竜之助はその晩、ふらふらとして小泉の家を出でました。

お銀様は竜之助の出たことを知りませんでした。それは竜之助がお銀様の熟睡を見すまして、密と抜け出でたからであります。

小泉の家の裏手を忍び出でた竜之助は、腰に手柄山正繁の刀を差していました。これは神尾主膳から貰ったものであります。手には竹の杖を持っていました。これも甲府以来、外へ出る時には離さなかったものであります。面は例によって頭巾で包んでいました。

その歩き方は、甲府において辻斬を試みた時の歩き方と同じであります。あるところはほとんど杖なしで飛ぶように見えました。あるところは物蔭に隠れて動かないのでありました。