Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「へえ、よろしうございます、いま使に出した野郎が、もう帰って来ますから、帰って来たらすぐに飛ばせてやりますでございます、お乗物なんぞは、ここで一声怒鳴れば御用が足りるんです。嬶でもいるとお髪やお召物のお世話をして上げるんでございますけれども、まあそのうちに嬶も帰って参りますから」

「髪や着物などはかまいませぬ、あのお君が帰って来さえすれば、直ぐにお暇をして屋敷へ帰りたい、早くあの子へ沙汰をして」

「へえへえ。どうも困ったな、いつも二人や三人はゴロゴロしているくせに、今日に限って嬶までが出払ってしまうなんて。と言って俺が出向いて行けば家は空になるし……野郎どもも大概察しがありそうなものだ、ぐずぐずしていると日が暮れちまうじゃねえか、日が暮れちまった日にゃあ、お嬢様をここへお泊め申さなけりゃならなくなるんだ。そんなことにでもなってみろ、お屋敷でどんなに心配なさるか知れたもんじゃねえ」

市五郎は焦れ気味で独言を言っているに拘わらず、自分は長火鉢の前へ御輿を据えて、悠々と脂下っていました。

三

宇治山田の米友は、この時分に八幡宮の境内を出て来ました。米友は油を買うべく、町へ向って出かけたのであります。