Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

「畜生、こいつら、手前たちの仕業だな」

米友はそれを見るより勃然として怒りました。見上げる栗の大樹の梢にたかっている一群の動物は猿であります。その猿どもが、大切の胡麻のついた握り飯を持って、それを一口食っては米友に見せ、二口食っては米友に見せているのであります。それからほかの猿はまた尻を米友の方へ向けてバタバタ叩いたり、木の枝を揺ったりして、しきりに米友に向って挑戦をするらしいのであります。

「畜生!」

米友は歯噛をしました。僅かの間に畜生どもにばかにされたかと思うと、米友の気象ではたまらないのであります。直ちに手慣れた杖を取り上げましたけれど、不幸にして彼等はあまり高いところにいるのであります。さすが手練の米友の槍も、距離においてどうすることもできません。

「よし、こん畜生!」

米友は杖を捨てて石を拾いました。拾った時、石はすでに空を飛んでいました。

その覘いは過つことなく、米友が石を拾ったかと思うと、ほとんど一緒に、

「キャッ」

と叫ぶ声が樹の上でして、という音が米友の足許でしました。

「こん畜生」

その時、米友は一匹の大猿の首筋を後ろからギュウと抑えて、膝の下へ組み敷きました。