Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
第一、自分の身の丈が許さないのであります。それですから、
「うーん」
と唸って、大男の面を見つめていました。
「お前はなかなか力がある。それでなにかい、槍も使えるのかい」
「槍?」
大男は妙なことを言うと思って、米友の面を見ました。
「そうさ、力はあっても、槍を自由に使いこなすことはできないだろう」
「そんなことはできねえでございます、槍だの、剣術だのというものは、俺にはできねえでございます」
「そうだろう、こりゃなかなか生れつきなんだからな、力ばかりあったって、上手に使えるというわけのものでねえんだ」
力の分量においてこの大男に及ばないことを自覚しかけた米友は、技において優れていることを自負しようとしているもののようであります。
「お前さんはこれからどっちへおいでなさるんだね」
大男は力や槍や剣術のことには取合わないで、米友のこれから行くべき方向をたずねるのでありました。
「俺らか、俺らはこれから江戸へ行こうというんだ」
「江戸へ。そうしてどっちからおいでなすったのだね」
「甲州から来たんだ」
「そうでございますか、それでは俺も、これから武州路を帰るのでございますから、一緒にお伴をして帰りましょう」