Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
この咳は確かに慢心和尚の咳でありました。それを聞いた若い雲水はハッとして、ひとり言の気焔と北叟笑みとが消えてしまいました。和尚来れば和尚……と言って力んではいたけれど、その咳の声だけで縮み上ったところを見ると、美人が来ればやっぱり魂を抜かれてしまうでありましょう。そこでこの雲水は気焔と独り笑いとをやめて、蒲団を頭から被っているうちに、昼の疲れでグッスリと寝込んでしまいます。
寝込んでしまってはいけないのです。実は迷い出した五人の亡者が戻るまで眠らないでいて、戻った合図を聞いた時には、また踏台として出て行かねばならぬ義務があるのであります。それを忘れて寝込んでしまいました。
かくとも知らず、迷い出でた五人の亡者は、立戻って来て垣根の外へ立ちました。
合図にトントンと垣根を叩くと案の定、中からもトントンと垣根を叩いて答えます。
外にいた亡者は、仲間の者の肩を踏台にして中へ入ると、中にまた踏台が待ち構えています。
第一に乗り越えたものが、足を卸して、中にいる踏台の肩を踏もうとして、勝手を間違えて頭を踏台にしてしまいました。これは間違ったと思ったけれども横着な心が出て、そのまま両足を頭へ載せてしまいました。