Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

米友は小躍りして屋根の瓦の上を走りました。

「ソレ、そっちへ行った」

折助が噪ぎました。

「ヤレ、こっちへ来た」

梯子が飛び廻りました。ヒューと石が飛んで来ました。

「危ねえ!」

お手の物で米友は、その石を発止と受け止めました。

「竹竿で足を打払え」

折助は物干竿を幾本も担ぎ出しました。跛足になった米友は、その危ない屋根の上をなんの苦もなく走ります。市五郎の宅から大部屋の屋根の上を鼬の走るように走って、武家屋敷の屋根へ飛び移りました。

折助は、いよいよ噪ぎました。梯子と竹竿とが盛んに担ぎ出されます。今や噪ぐのは折助ばかりでなく、武家屋敷の者共が、みんな家々から飛び出して噪ぎました。担ぎ出されたのは梯子と竹竿ばかりでなく、水弾きや、槍、長刀まで担ぎ出されるという有様です。米友はよく屋根の上を走りました。或る時はこれ見よがしに直立して走りました。或る時はそっと身を沈めて走りました。

「ばかにしてやがら、手前たちをこっちは相手にしねえんだぞ、相手にするほどのやつらでねえからそれで相手にしねえんだぞ、俺らが逃げりゃあいい気になって追蒐けて来る手前たちの馬鹿さ加減の底が知れねえや」