Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
「そんなことがあるものか」
「いいえ、そうでございます、この家では本心から、わたしの力になってくれる者は幸内のほかにはありませんから、わたしが幸内を大切にしなければ、大切にする者はないのでございます」
「ばかな!」
「ええ、わたしは馬鹿でございます。お父様、わたしをこんなに馬鹿にしたのは誰でございましょう、先のお母さんが生きておいでなさる時分には、わたしはこれほど馬鹿ではなかったのでございます、わたしもこれほど馬鹿ではなかったし、それに、わたしの……わたしの面もこんな面ではなかったのでございます。今のお母さんがいらしってから、わたしはこんな馬鹿になりました、わたしの面は……わたしの面は、こんな面になってしまいました」
お銀様は喚ッと泣き出しました。
「お銀、お前はまたそれを言うのか」
伊太夫は情けない面をして、泣き伏したわが娘の姿を見ていました。
「お父様、もうこれから二度と申し上げるようなことはございますまいから、どうか今晩は申し上げるだけのことを申し上げさせて下さいまし。先のお母さんは、わたしが十歳の時に病気で亡くなりました、わたしはその亡くなった時のことをようく存じております、世間では、今のお母さんが、先のお母さんを殺したんだとそう申しているそうでございます……」