Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
お君はチラホラと咲いている梅の木の花や蕾を、米友に向って指し示すのを、米友は見向きもせずに、お君の面をじっと見つめていましたが、
「要らねえやい」
「おや、友さん、怒ったの」
「ばかにしてやがら」
米友は、そのままぷいと廊下の縁の下を潜り抜けて、どこかへ行ってしまいました。
駒井能登守が役所へ出かけたそのあとで、お君は部屋へ行ってホッと息をついて、微醺の面を両手で隠しました。
障子の外には日当りがよくて、ここにも梅の咲きかかった枝ぶりが、面白く障子にうつっています。
お君は脇息の上に両肱を置いて、暫らくの間、熱る面を押隠していましたが、そのうちにウトウトと眠気がさしてきました。
「お冷水を持って来て」
「はい」
次の間で女中が返事をすると、まもなくギヤマンの美しい杯が蒔絵の盆の上に載せられて、若い女中の手で運ばれました。ギヤマンの中には玉のような清水がいっぱい満たされてあります。お君はそのお冷水を口に当てながら、
「わたしは眠いから少し休みたい、お前、床を展べておくれ」
「畏まりました」
「それから、あの犬に何かやっておくれかい」
「いいえ、まだ」
「忘れないように」