Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

「お前、何か腹を立っているの」

米友はなお返事をしないで、ようやく草鞋の紐を結んでしまい、ずっと立って傍に置いた例の棒を取って、ふいと出かけようとする有様が尋常でないから、お君はあわてて、

「何かお前、腹の立つことがあるの、気に触ったことがあるの。そうしてお前はここのお屋敷を出て行ってしまうつもりなの」

「うむ、今日限り俺らはここをお暇だ」

「そりゃまた、どうしたわけなの。お前はどうも気が短いから、何かまた殿様の御機嫌を損ねるようなことをしたんじゃないか。そんならわたしが謝罪って上げるから事情をお話し」

「馬鹿野郎、殿様とやらの御機嫌を損ねたから、それで出るんじゃねえや、俺らの好きで勝手におんでるんだ」

「そんなことを言ったってお前、そうお前のように我儘を言っては第一、わたしが困るじゃないか」

「お前が困ろうと困るめえと俺らの知ったことじゃねえ」

「何か、キットお前、気に触ったことがあるんだよ、あるならあるようにわたしに話しておくれ、他人でないわたしに」

「一から十まで癪に触ってたまらねえから、それでおんでるんだ」

「何がそんなに癪に触るの」

「なんでもかでもみんな癪に触るんだ、その紅っちゃけた着物はそりゃ何だ、その椎茸みたような頭はそりゃ何だ、そんなものが第一、癪に触ってたまらねえや」