Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
自分はまだ娘であるけれどもこの人は、もう主ある人か……というような不審から、お松はなんだか、昔のように姉妹気取りや朋輩気取りで呼びかけることに気が置けるのであります。
「お松さん、ここではお話が致し悪うございますから、わたしの部屋までおいであそばせ」
お君はお松を自分の部屋へ案内しようとしました。
「はい、あの……ここにおいでなさる米友さんというお方は?」
「あの人は、今、あの、どこかへ……お使に行きましたから」
「左様でございますか。わたしはあの人にぜひ会わねばならない用事がありますの」
「そのうち帰って参りましょう、お手間は取らせませぬから、どうぞわたしのところまで」
お松はお君の部屋へ導かれて、そこで両女は水入らずに一別以来の物語をしました。
この物語によって見ると、お松はお君の今の身の上の大略を想像することができました。お松もまた甲州へ来る道中の間で、駒井能登守の人柄を知っているのでありましたから、その人に可愛がられるお君の今の身の上は幸福でなければならないと思いました。
けれどもお松は、そんなことのみを話したり聞いたりするために尋ねて来たのではなかった、大事の人に会わんがために来たのでありました。