Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
ところが、はじめて気がついたように、赤い雛壇のところで眼を据えてしまいました。何か言おうとして咽喉をグビグビさせたけれど、幸いに、ちょうどその時に合図の花火が揚りました。
このほかに、まだ一つ大目に見なければならないものがありました。それは名物の博徒――長脇差の群であって、こういう場合には、ほとんど大手を振って集まって来て、おのおのしかるべき格式によって、賭場を立てるのが慣例でありました。
けれども、これは慣例に従って大目に見て、それぞれの親分なる者の権力を黙認しておきさえすれば、取締りにそんなに骨の折れることではありません。
この連中は別に流鏑馬を見たいわけではなし、また見物を見に来るのでもなく盆の上の勝負を争いに来るのだから一見してこの社会の者ということが知れるのであります。
ところがここに、なんとも見当のつかない二人の者がこの日、東山梨の方のどこかの山の中から出て、裏山伝いをドシドシ歩いて甲府の方へ出て行くのは、やはり流鏑馬をめあてに行くものと見なければなりません。
人に見えないところを歩いて行く間の二人の足は、驚くべき迅さを持っていましたけれど、甲府へ近づいてからの二人の足どりは世間並みでありました。