Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
その話によりますと、例の山窩の娘はときどきにじいやの小屋へ食べ物を貰いに来ていました。それがだんだんに増長して、じいやの留守に奥の方まで忍んで行って、なにか盗み出そうとするところを、ちょうど居合わせた関井さんに見つけられたのです。見付けられて、つかまえられて……。それからどうしたのか判りませんが、その後は山窩の娘がこの官舎へうるさく来るようになりました。じいやの小屋へも来るのですが、奥の方へもたびたび忍んで行くのです。そんなことが小一年もつづいているうちに、去年の夏から三津子さんという新しい奥さんがここへ乗り込んで来ました。その以来、山窩の娘は奥の方へ行かなくなりました。奥へゆくと、叱って追い出されるので、いつでも小屋へ来て黙ってしょんぼりと立っているのです。じいやは可哀そうに思いますけれども、どうにも仕様がありませんでした。
ここらの山川には山女という魚が棲んでいて、それが山住居の人には唯一の旨いお魚でした。前にもお話し申した通り、ここらの山に住んでいるものは、藤蔓をわがねて其の魚を捕るのが上手で、山窩の娘もそうして捕った魚を今までも度々持って来てくれましたが、新しい奥さんが来た後もその魚だけは、やはり持って来てくれました。