Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
深田君も見ていられないので、親戚の娘と一緒にそれをなだめて、どうにかこうにか座敷の外へ送り出すと、上原は詫びやら礼やらを取りまぜて、すみませんすみませんと繰り返して言いながら、無理に好子を引き摺るようにして、自分の座敷へ連れて行った。
「気が狂ったんでしょうか。」と、親戚の娘はほっとしたように言った。
「ヒステリーだろう。」
「だって、男が帰って来たらいいじゃありませんか。」
「そこが病気だよ。理屈には合わない。お前だって時々そんなことがあるぜ。」と、深田君は笑った。
男が帰って来たらばその無分別を戒しめてやろうと待ちかまえていた深田君も、この騒ぎに少し気をくじかれて、今すぐに何を言っても仕方がない。男もこっちの意見を聞いている余裕はあるまい。ともかくも女のちっと落ちつくのを待って、それからおもむろに言うだけのことを言って聞かそうと思い直して、かれは良い月を見ながら酒を飲んでいた。
「あなたもあたしを置き去りにして行くと、あたしヒステリーになってよ。」と、親戚の娘は酌をしながら言った。
こっちにも少し悶着が起こっていたのであるが、よその騒ぎでうやむやのうちに納まってしまって、深田君はいい心持に酔いが廻った。