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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

その場合、だれの胸にも泛かぶのは、彼女とお春との関係であった。お春がむかしの復讐のために、何かの手段をめぐらしたのではないかという疑惑が皆の胸を支配した。お春がきのう持って来た菓子のなかに、何かの毒がまぜてあったのではないかと疑われたが、その菓子は富子ばかりでなく、一座の者もみな食ったのであるから、原因がそこに忍んでいるらしくも思われなかった。その次の疑いはかの花環であった。その花に毒薬でも塗ってあって、それをかいだ富子に感染したのではあるまいかという、西洋の小説にでもありそうな想像説も起こった。そうしたささやきが宿の者の耳にも伝わって、いろいろの臆説が尾鰭を添えて忽ちに広がった。見舞いに来た興行師もおどろいて首をかしげていた。

「どうもこれは唯事でないらしい。医師にも容体が判らないというのはいよいよ不思議だ。」

富子は半狂乱の姿で寝てしまったので、今夜の二日目はとうとう臨時休みの札をかけることになった。これが土地の警察の耳にもはいって、刑事巡査は富子の宿へも調べに来た。それに応対したのはかの富寿で、さすがにむかしの関係を詳しく説明するのを憚ったが、とにかく、堀江屋のお春が久し振りでたずねて来たことを話した。