Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme
『――赤穂に人間はいないようだな。もうきょうは亡君の百ヵ日だぞよ。おぬし等、よい若い者が、あんなにも、首を揃えておりながら、いったい何をしているのか』
『…………』
安兵衛は、首を垂れた。鬢の短毛が二、三本、風におののいて立っている。
『一頃は、安井、藤井、などの卑怯者は顧ずに、五名でも十名でもやって見せるという意気じゃったが、どうしたか、あの元気は』
『決して、一日とて、忘却している次第ではございませぬ。――しかし、お国許の始末、又、内蔵助殿の御意志と、吾々の間には、大きな距たりもあって、容易に、存念も運び難い事情にあります為――』
『それや当然じゃ。奥田老人から伝え聞けば、赤穂表では、百二十名からの者が、内蔵助を中心に、盟約したとか承わったが、どうして、そんな大人数が、一つの纒まった目的に結束してかかれるものか。衆を恃むほどなら、やめたがましじゃ。必ず、途中で崩れる、挫折する。内蔵助のやり口は手ぬるい。あれはあてにはならんぞ』
老人の意気はすさまじかった。元禄の江戸にもまだこんな古武士型が残っているかと思われるのである。左の膝に鉄扇を突いて、頭からこの炎天の陽を浴びながら責めるのだった。