Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme
後のふくみ
塵を払って、三名は内蔵助のいる一室へ来た。庭先の大きな蘇鉄に陽ざしが青かった。
後のふくみ
『只今お着きか』
内蔵助の最初の挨拶だった。
『いや、昨夜おそく』
郡兵衛は、小坊主の運んできた茶をぐっと服んだ。何となく険しい眼をそろえている三人だった。共にこの三名は江戸で有名な当時の剣豪堀内源太左衛門の高足だった。わけても、安兵衛の刀に至っては藩地以上に関東で重視されている。風流子の多い江戸詰の中で、
(俺は武骨者)
で通しているところも一特色だった。
消息の伝えるところに依ると、この三士は、事変後、早くも、
(賢げな百説、どれもこれも採るに足らぬ。吉良は無事に生きているのだ。ただ、亡君の怨敵たる彼の首を申しうければそれで足る)
と堀部弥兵衛老人を首領に仰いで、在府の者だけで、行動に出ようとした急激派の発頭人たちであるという。
どれ程、その事に就て、今日まで内蔵助は、人知れず胸を痛めていたか知れない。
不幸に似て幸いであった事には、江戸表にも、大野一派のような冷静家の多かったことだ。江戸家老の安井彦右衛門、藤井又左衛門からして先ずそれである。
いくら切歯してみても、又、腕に自信があっても、わずか三名では、吉良の門内へ斬り込んで幾十歩駈け込めるかに問題は止まる。