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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme

Aozora Bunko

香う装束

香う装束

蕎麦屋ではないが、誰かひとりが、蕎麦切が食いたいと云うので、他から蕎麦切を取り寄せて食べていたのである。

向う両国の亀田屋という茶屋だった。

二階を開けて、公然と高笑いをしている。昼間は盛り場だし、この辺りに夜更かしの店は多いので、誰も怪しむ者はない。

時々、外を見張っていた貝賀弥左衛門が、

『や、早水と菅谷が通る』

大高源吾へ囁くと、

『呼べ』

『呼ぶか』

と、すぐ梯子段の近くにいた岡島八十右衛門が駈け下りてゆく。

『よう、雪見か』

二人が岡島に連れられて上って来ると、茶屋の亭主が、汚ない帳場硯に紙切を持って従いて来た。

『御風流の方のお揃いのようでございますが、何ぞこれへおついでに、俳諧などおしるし下さいませぬか』

蕎麦を食べかけていた片岡源五右衛門が、

『おやじ殿、よしたがよい。ここにいる連中にそんなことを頼んだら、頼まれぬ襖や屏風にまで、よい気になって塗りたくられるぞ』

『いえ何、そんな高価な物はございませんから、安心でございまする』

『おまえも、俳諧でもやるのか』

『へい、店の暇に、冠附の点取の取次ぎなどやっておりますので、何やら下手の真似事を』