Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme

Aozora Bunko

すれちがい

よしよし遺書をして参ろうか。数右衛門、暫時、失礼申すぞ』

次の部屋へ入った惣右衛門は、小机のまえに坐って、丸い背を見せながら、何か巻紙の端に書いていた。天満川の櫓音が静かに聞えて来るのである。道頓堀の芝居櫓から眠たげな太鼓もながれてくる。

――ともすると、この穏かな四月の陽ざしと温い東南風の中に、人生の小安を偸んで楽しみたくなるような気持ちが、自分にも多分にあることを数右衛門は気がついていた。

『……実は、無理もないのだ、大野、大石などの重職の者が、ああなるのは。……だが、誰がどう生きようと、おれはおれの道をゆく。そうだ、おれの道を行こう』

すれちがい

京都へ行って、小野寺を訪えば、父子とも留守であるし、大高源吾を訪ねれば、これも昨夜から出て家にいないという。

同志の間には、少しも聯絡がとれていない。何か、ちりぢりばらばらな惰気が感じられて、惣右衛門は憤々した。

『日が経てば経つほど、こうなるのが人心の当然じゃが、それにせよ、歯がゆい有様。こんな事で、どうして、吉良殿に一矢の仇も酬われようか』

『山科には、誰かいるかも知れません』

数右衛門のほうが、却って、惣右衛門を宥めるようなことになっていた。