Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme
下検分は明日と申すぞ、今宵のうちに、手配をせい』
狼狽する安井、藤井。指揮に、声を嗄らす奥田老人。病後の老躯を、お長屋から這いだして、馬で飛ぶ村松喜兵衛。
『金だっ。御勘定方、こんな時は、金の力だ』
そう呶鳴っているのは、堀部安兵衛だった。
現金を懐中にいれて、畳屋を狩り出しに、騎馬で駈けてゆく。
増上寺の本堂から、浅野家持ち場の宿坊は、またたく間に、鷹の羽の提灯で埋まった。数十人の畳屋職人は、肱が火を出すように、畳針を舞わせている。運び出す者、敷き込む者、武士も職人も、けじめはない。まるで、戦場だった。必死だった。涙ぐましくも、夜の白々と明けた頃には、二百数十枚の青畳が、きっかりと敷かっていた。うれしさの余り、その上で、躍り上った若侍もある。
やがて、四刻頃、上野介は下検分に来て、青々とした畳の海へ眼をくれた。
『成程――』
洒然として、賞め立てた。
『かねて、内匠頭殿は、御内福だと聞いていたが、一夜の中に、これだけの畳数を替えられたとは、お手際がよい。……何事もな、金銀さえお厭いなくば、物事は、程よく運ぶものでござるよ』
後に立って、睨めつけている内匠頭へ、怯れもなく、振り向いて、