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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme

Aozora Bunko

その跫音が去ると、小鳥は又、静かに梢にもどって啼いていた。真っ赤な柿紅葉に、時雨雲のあいだから、鈍い冬日が映してくる。

『旦那様、お含嗽をなさいませ』

年老った用人が、風呂場の手洗い場に、鏡、水桶、鬢盥など、毎朝の物を供えて、彼の袂を後から介添えした。

櫛の歯を濡して、伝八郎は、近頃めっきり白髪のふえた髪を梳でつけながら、

『爺、今通った馬鹿は、何者だ』

『よく鳥居様や鈴木様のお屋敷に集まる御連中らしゅうございました。昨晩も、何事かあるのかと思う程、御陽気な騒ぎ方で――』

『うるさいのう、夜ばかりか、朝も昼も』

『私などの若い頃は、朝といえば、的場で弓弦の音、夜になれば読書の声、実にしんとしたものでござりましたが』

『変ってきたのう』

『それが近頃では、三味線が鳴ったり……大きな声では申されませぬが、町奴とかいう手輩が出入して博奕をなさるお屋敷もあるとか』

『あきれた世相だ。われ等のような慶長元和の古風を慕い、まだ尚武の風のあった寛永気質を尊ぶ者などは、所謂、頭が陳腐いと云われるやつだろう。何せい、執政の柳沢があの態たらくじゃ、その下にいる俗吏ばかりは責められぬ』