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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme

Aozora Bunko

自分が何で、内蔵助に対して――又他の旧臣達に向っても、物質的な、しかもこんな零細な数字までを気にかけていよう。彼の律儀さが、むしろ冷たく感じられて寂しい。

(――内蔵助。いったい彼の仁というものは、何ういう人間なのであろう)

きのうの事実が、まだ胸の裡に感激を醒ましていない場合だけに、彼女には解せない気がする。内蔵助という者の全貌が、何だか、余りに多角的で、巨きいのか、小さいのか、それが一体、男のあたり前というものなのか、わからない気がしてならない。

事変の前には、あの小づくりな上に、のろりとした風貌で、無能家老だの、昼行燈などと云われていた内蔵助――又事変後には、祇園や伏見で豪奢三昧の態を見せたり、そうかと思うと疾風迅雷に最後の目的に向い、儼然と、討入の事実を示して、天下を震駭させている彼でもある。

智謀の器というものか、情熱の武士というものか、又、飽くまで緻密な計数で出来ているこの「金銭出入帳」のような、明晰な頭腦の持主だろうか。

情と熱に富む士には、計数の頭腦が乏しいものである。計数の才に富む者には、義や忠誠は知っても、進んで死地へ飛び込むような断がない。