Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme
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大検使以下公儀の者が、ぞろぞろと退出した後、
『こちらから――』
と、田村家の家来が、内からひらく脇門の戸を、遅しとばかりに、庭内へ走りこんで来たのは、まだ外の明るい頃から待ちしびれていた浅野家の人々だった。
『庭石が多うござる、お躓きなさるな』
ゆらゆらと、提灯の明りが、先に立って導いてゆく。――白い二方幕の上に、高張提灯が掲げられていた。
『おお!』
『殿ッ』
わらわらっと、その中へ、駈けこむがはやいか、磯貝十郎左も、建部喜六も、片岡源五右衛門も、がばっと、俯つ伏したきり、地へ食い入るような嗚咽をしていた。
白い蒲団の下に、遺骸は、平べったく横たわっていた。離れた首は、左の肩先に横向きに添えてある。涙ながら、人々は、柩に納めた。
田村邸から、遺物として受け取った、小さ刀、懐紙、扇子、足袋なども。
磯貝十郎左は、その足袋を持って、顔に押し当てながら泣いていた。十四歳の時からお小姓に上って、
(洟を垂らすな)
(帯が解けておるぞ)
と、主人に仕えるというよりは、主人に育てられたこの身であった。しかも、この足袋は一度でも家来を蹴られたことがない。