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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

Lesen Sie 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) von 内田 魯庵 (うちだろあん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.401 Zeichen · 427 Bildschirme

Aozora Bunko

七

「それにはYも心から感謝して、その話を僕にした時ポロポロ涙を澪して島田の恩を一生忘れないと泣いていた、」とU氏は暫らくしてから再び言葉を続け、「が、Yはマダ人間が出来ておらんから、恩に感ずる事も早いが恩を忘れる事も早い。君ももしYに会ったら能く訓誡してやってくれ給え。二度と再び島田に裏切るような不品行をしたなら、最う世の中へ出て来られない。一生の廃れ者になってしまう。」

七

その頃私はマダ沼南と交際がなかった。沼南の味も率気もない実なし汁のような政治論には余り感服しなかった上に、其処此処で見掛けた夫人の顰蹙すべき娼婦的媚態が妨げをして、沼南に対してもまた余りイイ感じを持たないで、敬意を払う気になれなかった。

が、この不しだらな夫人のために泥を塗られても少しも平時の沈着を喪わないで穏便に済まし、恩を仇で報ゆるに等しいYの不埒をさえも寛容して、諄々と訓誡した上に帰国の旅費まで恵み、あまつさえ自分に罪を犯した不義者を心から悔悛めさせるための修養書を買って与えたという沼南の大雅量は普通人には真似ても出来ない襟度だと心から嘆服した。

「全く君子だ。古聖賢に恥じない徳人だ、」