Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
Lesen Sie 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) von 内田 魯庵 (うちだろあん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.401 Zeichen · 427 Bildschirme
八 硯友社の全盛時代
が、夫人を迎えて家庭の団欒の悦びに浸るようになってからは詩人の夢から覚めて頗る平穏堅実となったとのみ聞いていた。
眉山の死の原因について新聞紙は種々の憶測を下して多くは生活難のためといった。が、眉山の生活は豊かでなかったにしろ、自殺するほど逼っていたとも思われなかった。富坂時代から貧乏線は度々踰えて借金学も一と通り卒業して来たから、如何に家族を抱えていても死ぬほど窮苦に堪えられなかったとは想像されない。眉山の死の原因を単なる生活難に帰するは決して穿ち得たものではない。が、原因は何にてもあれ、あれほど豊かな天分才能を持っていながら一生は実に数奇を極めていた。美人薄命というが、強ち女にのみ限らず、玲瓏玉の如き美男の眉山もまた頗る薄命であった。
八 硯友社の全盛時代
硯友社の勢力は団体的の結束の力であって各自の個々の力ではなかった。紅葉の芸術的天分はエポックを画するだけの十分な力を持っていたが、それよりもなお一層勝れていたのは傘下の英才を統率して芸術的地盤を固めた政治的手腕であった。紅葉にもし芸術的天分がなくて政治か実業方面に働かせたなら、社会的にはヨリ以上成功したろう。