Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.778 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

六月九日

実にうんざりし、私は、もう別れるしかないと腹をきめた。A、泣き乍ら、鳥かごを開いて、鳥を放ち、実際的の家財処理について相談する。いくら話しても、私は彼の言葉から安心するよりどころを掴めないので、絶望して、左様ならとしたが、いよいよとなると、のこり惜しく、息がつまる程泣きだしてしまった。そして、一種の反動、疲労から来た無気力で和解してしまった。

六月九日 月

朝、前の空屋を見、それにきめて引越しをするとし、午後湯浅さんのところにゆく。十二時頃行くと云ったのでせき、北町の坂をのぼる中途で、電話をかけに来た湯浅さんに会い、私は知らずに(今日はまるでさわぎ、引越しと一どきで)と云った。私は浅間しいことに、これが自分のどんな性格を暴露して居るか、まるで心づかず、夕飯を川鉄でたべ、九段からずっと廻って家まで散歩して来、夜レコードで日本音楽をきき、いい心持で、睦しく、(まだ彼女の心の苦しさを感ぜず!)眠った。朝、彼女にその点をつかれ、何とも云えない気持がした。弱く、目がくらみ、その上、彼女に誠意を欠いた心持が底にあった為、彼女に対しては、実に高飛車な、彼女の感情その他を無視した態度であったことを、云いようなく苦しんだ。