Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.778 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

彼に悪意のないことは判る、ただものが――人間の心持が判らなすぎる。つきまとって一緒にくらすか、別れるかはっきり返事をしろ、と云う。彼は、私共が折角始めた生活を中絶させなければならない悲しさ、その原因はどこにあるかなど、考えようとせず、(百合ちゃんさえ心を持ちなおしてくれれば、僕は始めから変っては居ない。一緒に暮すと決心した時から僕の心持はずっと一つで変らない)と、その決心した時から不変であるのを善行のように云う。彼の決心したのは、世帯を持つ決心をしたのであって、どうかして二人の愛を活かして見ようと決心したのではなかったことが、わかった。悲し悲し。

彼は、形だけにこだわって心を活かそうとしない。私は弱く、彼を征服して心を活かす丈の腕がなかった。私は彼が今、病んで居ることなど考え、決断を口に出しかねて居たが、彼があまり攻めるので、とにかく、自分は、どんなよい理解があっても、もう二人一緒には住まない積りだ、と云った。A、神経的に亢奮し、“それでもうわかった。それをききたかったのだから、もう決った”と荷物のことや何か、事務的に話し出す。私は一つも泣けなかった。