Japanische Klassiker mit Furigana
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まきのとみたろうじじょでん
牧野富太郎自叙伝
牧野 富太郎
Lesen Sie 牧野富太郎自叙伝 (まきのとみたろうじじょでん) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.045 Zeichen · 185 Bildschirme
その時分はとても給料が少なく生活費、沢山の子供(十三人出来)の教育費などで借金が出来、時々執達吏に見舞われましたが、私は一向に気にせず押えるだけは自由に押えて行けとその傍の机上で植物の記事などを書いていました。こんな事の昔はきょうの物語となったけれども、今だって私の給料は私の生活費には断然不足していますけれど、老躯を提げての私の不断のかせぎによってこれを補い、まず前日のようなミジメな事はなく辛うじてその間を抜けてはおります。私は経済上余り恵まれぬこんな境遇におりましても敢て天をも怨みません。また人をもとがめません。これはいわゆる天命で私はこんな因果な生まれであると観念しておる次第です。
私は来る年も来る年も、左の手では貧乏と戦い右の手では学問と戦いました。その際そんなに貧乏していても、一っ時もその学問と離れなくまたそう気を腐らかさずに研究を続けておれたのは、植物がとても好きであったからです。気のクシャクシャした時でもこれに対するともう何もかも忘れています。こんな事で私の健康も維持せられ、従って勇気も出たもんですから、その永い難局が切抜けて来られたでしょう。